Lifeclip本館はすでに2015年締めちゃったのでこっちで書きます。
新しいことを始めるときに「自分のできる範囲でやる」というのはとてつもなく大切な考え方だと思っています。
例えば最近だと、金融とテクノロジーを合わせた「フィンテック」という言葉が流行っていますが、実際に自分がフィンテックのビジネスを始めようと思っても、ハードルが高すぎて、やろうとすら思わないですよね。
この時に、「フィンテックは始めるのが難しいから自分には無理」と思うか、「最近はフィンテックが流行ってるんだな。よーし、自分流のフィンテックはこれだ!」と自分のできる範囲で「オレ式フィンテック」を始められるかどうか。
で、得てして「オレ式フィンテック」は最先端どころか超ローテクでダサいものです。フィンテックビジネスを始めるにあたっての技術もノウハウも持っていないのにやろうとしているわけですから、当たり前です。
でも、「自分のできる範囲でやれないことはない」もので、「今の自分がフィンテックをやったらこうなった」というのが大事だと思うんです。
いくつかの事例に学ぶ
私がこのように考えるようになったきっかけは、実際にそうやって「ローテク」「オレ流」「自分のできる範囲」で上手くやっている人たちが多いからです。
事例をいくつか紹介します。
変なホテル
旅行会社のHISやハウステンボスの経営で知られる澤田秀雄社長がぶち上げたのが「ロボットが働くホテルを作る」です。
世界的にロボット化の流れはあるものの、ロボットが働くホテルは見たことがありません。(最近になってかろうじてPepperを導入しているお店があるくらいかと)
そうこう言いながら完成したのが、ハウステンボスにある「変なホテル」。
「変なホテル」は、先進技術を導入した世界初のホテルです。
「ロボットが働く、世界一生産性の高いホテル」と言っても、皆さんが想像するような先進的なものではないのですが、「ロボットが働いている」のに間違いはありません。
これが、澤田流の「できる範囲で実現したロボットが働く世界一生産性の高いホテル」であり、誰もが実現できないと思っていたことをやってのけたわけです。
参照:変なホテル
Pepper
テレビCMでも話題となっているソフトバンクのスマートロボット「Pepper」。
これまで、ロボットといえば工場などで生産性を上げるために使われることがほとんどでした。しかし、ソフトバンクは「世界初の感情を持ったロボット」としてPepperをリリースしました。
ただ、このPepperは決して革新的なものではなく、簡単に言うとiPhoneやAndroidのようなスマホに手足が付いたものでした。
「感情を持った人型ロボット」と言えば誰もが、鉄腕アトムのような完成度が高いロボットを想像すると思いますが、Pepperは鉄腕アトムとは程遠いです。
「ソフトバンクが今の技術でやってみたらこうなった」というだけの話で、世界初の感情を持った人型ロボットであることは間違いありません。
DMM.com
DMM.comで初めてアダルト動画を買ったのは何歳の時だったか覚えてませんがw
初めてDMMで動画を買った時、クレジットカード決済をしました。2回目に動画を買った時、ワンクリックで購入が完了するあまりの手軽さに「DMMこえー」って思ったのを今でも覚えています。
と、これは私のエピソードだったのですが、DMMの決済システム、昔は手動でやってたみたいです。。。利用者がDMMでクレジットカード番号を入力して、その番号を裏側でDMMの社員が手動で処理していたのだとか。
これは、DMMの亀山敬司会長がインタビューで語っていたウソのような本当の話です。
中国の無人自動車
世界中で「自動運転のテスト走行」をやっている間に、すでに自動運転車を実現してしまった会社があります。
それが中国のデベロッパーである「ヴァンケ」という会社。この会社が無人自動車を実用化できたポイントは2つ。
- 販売用ではなく自社で使うために開発
- 公道で走るようには設計していない
どちらも、自動運転の最大のネックである「安全性」を回避できる使い方だからこそ、いち早く実用化ができたわけです。
空港間を移動する時に使う「シャトル」に似ていますが、無人自動車を実用化しているのは偽りのない事実です。
車の自動運転では、テスラモーターズなんかもそうですよね。テスラは車線変更などの一部の動作のみを自動化しています。
これも、完全な自動走行でなくても、「できる範囲で」実現している好例です。
ドワンゴ人工知能研究所
最近、人工知能やAIというキーワードを良く見かけるようになりました。一度、人工知能についての公演を聞きに行ったことがあるのですが、国家が使う研究費の予算とはケタ違いの資金を投入して、人工知能やAIの開発をおこなっているのが、Googleのような民間企業とのこと。
Googleのようなビッグプレイヤーが多額の資金を投じて人工知能の開発をすれば、次に期待されている人工知能ビジネスも、すべてGoogleが持って行ってしまいます。
と、そこでニコニコ動画などで知られるドワンゴが立ち上げたのが「ドワンゴ人工知能研究所」という会社。人工知能を研究してGoogleに勝負を挑むのかと思いきや、真逆の発想で作られたのがこの会社です。
資金力ではGoogleに勝てないので、「人工知能ができないことを知るために作った会社」がドワンゴ人工知能研究所というわけです。
まとめ
- 最初から大きくやらなくてもいい
- かっこ良いやり方、正攻法でやらなくてもいい
- みんなが考える期待値に及ばなくてもいい
何事も「やったもん勝ち」ということを先人達に学んだのでした。